お月様の本

暗いお話です。口に出せない思いを文字へ。

2015-01-01から1年間の記事一覧

Dear

you

いつも変わらない0の通知は、彼女を苦しめ続けた時間そのものだった。何も気づけず、呑気に返信を待っていた私に"ごめん"と言ったのだ一体、どのような心情で何を思いながらその長い文章を連ねたのだろうと考えると心臓が刺されるように痛くなった。もしかし…

Forgive me

me

いらない話をする母が、私の知らないところで、私の知らない人と私のために、私を貶し、馬鹿にして甲高い声で笑う。「そう!本当にダメなのよあの子!あはは!!!!」丸聞こえな声を隣の部屋で知らないふりをして何も聞こえないイヤホンを耳につける。聞き…

なんでもない話

me

酷い、ひどい、と幾分気温の低くなった廊下で蹲り、泣きじゃくる友達。雨の落ちた音が長い廊下に響く。パンツ丸見え、なんてどうでもいい事言ってみたけど、やっぱりどうして、とかそんな言葉が口からぽろぽろ涙みたいに。顔からいろんなもん出しすぎ、なん…

マザー

me

勉強している間、母は笑っていた。遊んでいる間、母は怒っていた。「どうしてもっとやらないの?」怖い怖い顔をして、簡単に言ってくれた。それは決して間違っている事ではないから私は何も言えなかったし、勉強したくない言い訳だってこと自分がよくわかって…

お父さん

me

たとえば、困っている人に手を差しのべる人をどう思う?偽善者?善人?それらを見て見ぬふりをする人は?傍観者、最低、普通?「それは...何も難しく考えることはない、」大きな手がぽん、と頭に乗った。犬を蹴るピアスの高校生を見た後で「差しのべる人を立派…

This is a pen!

"ペンは剣よりも強し"言論の力は武力よりも大きい力を持っているということ。ペンにより書かれた文字の考え方は、多くの人々の心を動かすことができるので、武力よりもはるかに強い力を出すということ。そしてこの言葉の元々の意味は剣という武器を使わなく…

grow

me

昔の同級生を偶然見かけてしまった。信号越しにいる同級生だった子は他の友達と楽しそうに話していた。その子は少し控えめだった昔とは違って派手な格好をしていた。もしかしたら、私が知らなかっただけで昔からそうだったかもわからない。何となくこういう…

毎日

me

うるさい風の音を聞きながら淡い画面を見つめていました。隣の家の風鈴が、よく鳴ります。なんだか日本に私しかいなくなったような気分にさせられて、恐ろしいというよりも"このままがいいな"と思ってしまいました。そんな現実味のない思考も虚しく朝日は昇…

My substitute

me

ふと聞こえる忘れたい音色に立ち止まりそうになって目を閉じた。色んな思いが巡る中、ただ指の感覚だけが確かで無意識にするすると動かしていた。聞き覚えのあるフレーズに、少し耳を傾けた。「〜♪夢なきものに成功なし」自分から捨てた私にもきっと成功はこな…

おねだり

me

「あれ買って〜」 「どうせまた大事に出来ないんだから欲しがらないの。」 次こそ大事にするから。 そう言って買い与えてもらってきた私は「大事にする」って言葉の意味をよく理解していなかった。 欲しいほしいと強請って、手に入らなければ泣いて喚いた。 …

嫉妬

me

「大好き、親友だよ。」 その言葉に頷いてしまった事を今でも酷く後悔しています。 まっすぐの目と私を信じきった笑顔を否定する事ができなかったのです。 私は彼女が嫌いでした。 彼女は私を好きだと言いました。 私は性格が悪いなどの理由だけでは嫌いになっ…