お月様の本

暗いお話です。口に出せない思いを文字へ。

あなたへ

叩かれた頰が熱くなった
「いい加減にしなさい」
冷たく私に言い放つ母は、もう昔の優しい母ではないことくらい分かっているのに。
「ごめんなさい」
痛みがどうしようもなく悲しくて
涙を堪えられないまま謝った。
「分かったならもう部屋行って」
灰皿を投げつけられて、逃げるように階段を上がっていった。
部屋のドアを閉めると壁に爪を立てた
悲しくてどうすることもできなかった
私が悪かったんだろう
母があんなに怒るのだから。
私だけが、邪魔なんだろう


『お父さんに会いたい!!』


私が子供みたいなこと言ったから、
きっと母は私を叱ったのだろう。

そう思っていよう。



なんでだろう

頰が痛くて仕方がない

胸も痛くて耐えられない

このまま死ねる気分だった。







「私に神様なんていない」

じゃあ何に願おうか?


「何でもいいから助けて」



分かってても、願わずにはいられない。

遠く、君に声はとどかない



手を取ってくれなくてもいい
優しい言葉をかけてくれなくてもいい
ただ、私の一番でいてほしい
ずっと友達でいてほしい
嫌いにならないでほしい。



「神様」




私の神様になってほしい。







そんなあなたへ。