お月様の本

暗いお話です。口に出せない思いを文字へ。

整理

私の悪い癖だ
手に入れてしまえば、捨てられない。
思い出に縋り、"いつかまた"と、何度も。
愛おしくなっては離せず、執拗に執着しては突き放されてきたのだ
その度泣いて、それでも離さなかった。
"懲りない奴だ"と言われても構わないと、ただただ大事にしていた。
思い出を捨てられないのは悪い癖だ。
綺麗で眩しく、時には暗く
美しいそれをいつかは忘れてしまう。
それでいい、
それでいいんだ。

どうせ誰も触れやしないだろう
ましてや、壊すことなんて。




ああ、悲しいなあ。